信託管理に必要な手続きについて

信託管理に必要な手続きについて

生前信託(リビング・トラスト)を設立するための理由の一つとして、死亡時に検認裁判所(プロベート・コート)での煩雑な手続きとその費用を避ける事が挙げられます。生前信託の管理は、プロベートより比較的簡単で安価な手続きですが、それでも死亡時における財産手続きには、常に様々な管理上の手続きが存在します。 一般的に生前信託は、数多くの長所や法的保護が与えられています。特に合法的に婚姻している夫婦の場合、いずれか一方が最初に他界した時点で、信託を適切に管理する事によって、これらの長所や保護が大きく影響してきます。生存者信託/家族信託(故人の家族)を設定した後、適正にこれらの信託に資産を移行させる事によって、残された配偶者は、債権者からの保護を享受できるのみでなく、メディケイドを受けるために相続した遺産を消費しなくてはならないような状況から保護される事になります。家族信託には、信託の資産を維持するために様々な保護が与えられています。

夫婦のうちでどちらか一方が最初に他界した時に、生存者信託、あるいは、家族信託が適正に設立されていれば、残された配偶者は、全ての資産を利用し、管理する事ができます。

信託の有効性は、配偶者が他界した際に、その信託が適正に設立、維持され、そして管理されているか否かに左右されます。主な必要な手続きは、以下にご説明します。

1. 資産目録の作成

まず、全ての資産を目録上正確に確認する必要があります。そのために、信託に含まれている全ての資産の名義人と所有者の確認を行い、且つ信託に含まれていない全ての資産の名義人と所有者の確認を行います。この手続きによって、故人が所有していた資産や、管理していた資産を全て確認しなければなりません。全ての資産が間違いなく信託に移行され、または信託へ支払われるためには、資産所有権の適正な判断を行う事は大変重要です。故人が他界する前に資産が信託に移行されていない場合は、プロベート・コートでの手続きが必要になる場合もあるので気をつける必要があります。

2. 資産の査定

資産の適正な査定を行う事により、所得税、資産売却収益税(キャピタル・ゲイン税)、固定資産税、遺産税、相続税等においてかなりの影響が出てきます。全ての資産は、配偶者の死亡時に査定しなければなりません。通常の場合、正式な査定は必要ではありませんが、特定の資産の場合は、書面による専門家の査定が必要になってくる場合もあります。必要に応じて資産査定の専門家を当事務所でご紹介します。

カリフォルニア州は、共有資産を認める八つの州のひとつであり、夫婦の場合この共有資産の利点が大きい事が挙げられます。つまり、共有資産として所有している資産は、最初 の配偶者が他界した時点で、基本率の増加が認められ、残された配偶者は直ちにキャピタル・ゲイン税を支払う義務を負わずに資産を売却する事ができます。但し、資産の売却を行う場合は、配偶者の他界時に資産の基本率の増加を確保するために、適正な査定が必要となります。

3. 資産の配分

生前信託を設立し、適正なエステート・プランニングを行った夫婦は、A/B信託あるいは、A/B/C信託と呼ばれる信託を設立しています。最初の配偶者が他界した際、信託に含まれている資産は、適切にA、B、または、Cと呼ばれる準信託に配分されなければなりません。この手続きが正しく行われる事によって、生存している配偶者が他界した配偶者の資産を利用する事ができる一方で、通常、将来の遺産税や債権者から保護されるのみならず、メディケイドを利用するために、資産を削る必要がなくなってきます。

どの資産がどの準信託に移行されるべきかを決定するためには、十分専門的な知識を持った人が判断をする必要があります。

4. 資産の名義変更

遺産税や債権者からの請求、メディケイドを受けるために資産を削る事を強いられる場合や、その他の信託資産の減少の可能性から資産を保護するためには、対象となる全ての資産を適切な信託へ名義変更を行う必要があります。当事務所では、適切な時期に資産の移行が行われるように名義変更のお手伝いを行います。

5. 合法的権利放棄処分の必要性

合法的な権利放棄処分は、配偶者が他界した後に、遺産計画の有効性を最大限に利用するためや、遺産計画上の間違いを訂正するために頻繁に用いられる方法です。しかし、残された配偶者が合法的権利放棄処分手続きを行うためには、他界した配偶者が所有していた資産に関し、残された配偶者が「優先権や管理する権利」を行使していない場合のみに認められます。従って、信託管理を担当している弁護士が権利放棄処分計画の合法性を調査し、弁護士と十分話し合う機会を持つ前に、他界した配偶者の資産の消費や名義変更を決して行わない事が重要です。

6. 税金申告者番号の取得

家族信託や配偶者信託が存在する場合、信託自体が税金申告者用ID番号を取得する必要があります。ID番号を取得するためには、IRSへ申請書(SS-4)を提出しなければなりません。IRSが管財人からの連絡に対して適切に回答するよう確認する事が大切です。

7. 申告書706と申告書ET-1の必要性の吟味

上限の設定されていない配偶者間の税控除のお陰で、通常、最初の配偶者が他界した場合は、遺産税が発生しない事になっています。しかしながら、よく頻繁に税金申告書706(連邦遺産税申告書)と申告書ET-1(CA州遺産税申告書)を提出する必要が出てくる場合があります。これらを適切に申告する事によって遺産総額を設定し、46%にも及ぶ可能性のある不必要な遺産税の徴収から遺産を保護する事ができます。

結果的に、遺産計画と管理を適切に行う事によって、資産額を抑え、引いては相当額の遺産税を節約する事が可能です。

8. 申告書706と申告書ET-1の申請

連邦レベルと州レベルで遺産税の申告が義務付けられている場合は、配偶者の死後9ヶ月以内に申告を行う必要があります。所定の期間内の税申告と税金の支払いを怠ると相当な額の罰金を支払わなくてはなりません。また、遺産税に関する手続きは、一般の会計業務と大きく違うため、会計士やその他の専門家の中でも、遺産税申告書の作成や申請に慣れている人はあまり多くいません。当法律事務所は、これらの申告書の作成準備において豊富な経験を持ちあわせております。

9. その他の税金申告書の申請

所得を申告するための申告書1041の提出は、通常義務付けられており、所定の期間内に適正に申告する必要があります。この他にもNotice of Fiduciary Relationship、Request for Prompt Assessment、Request for Discharge of Personal Liability等の申告も所定の期間内に申告する必要があります。当事務所では、受益者がこれらの申告義務を怠らないよう十分配慮を致します。

10. 資産の配分

信託の管財人は、資産の配分について個人的な判断で手続きを行う権威を与えられていません。管財人の役目は、生前信託に明記されている通りに、信託設立者の意向を遂行しなければなりません。特定の配分や残余資産の配分は、特定の手続きに従って行う必要があります。

前述の特定の手続きに加えて、管財人は、以下のような責任を負っています。

o 遺産に含まれる資産を収集する。

o 他界した人が残した負債や、死亡によって発生した負債、また信託管理のために発生した負債を支払う。

o 相続税の課税分を全て支払う。

o 信託設立者のその他の指示に従って手続きを実行する。

管財人は、生前信託に記載されている通り、間違いなく実行に移す責任を負っています。しかし、不幸にも、信託で決定されている項目を実行に移す際、管財人は法的罰則や訴訟等に巻き込まれる可能性があります。また、信託は、投資を行う場合、Prudent Personal Ruleや、Prudent Investor Rule等の適切な投資基準を設定しています。特に信託を管理する段階において、これらの適切な投資標準に従って手続きを行い、管財人が全ての適法に遵守する事が非常に重要です。当事務所は、これらの法律の規定を詳細に渡って説明し、適法に遵守するよう援助致します。

結論

信託管理は、プロベート・コートでの手続きに比べ非常に有利な手続きです。しかしながら、信託に明記されている通りに手続きを行い、詳細に渡る適法に遵守していかなければなりません。不幸にも残された遺族の方々は心理的にとても辛い時期に、これらの非常に複雑な手続きを強いられる事になります。しかし、煩雑な信託管理も、豊富な経験を積んだ専門家の指示のもとに信託管理を進めれば不可能な事ではありません。

当法律事務所の弁護士とスタッフは、お客様が困難な時期を乗り越えられるよう誠意を持ってお手伝いを致します。

(注:この文書は、IRSによって要求され得る特定の罰則、罰金や追徴金等を避けるために使用されるために作成されたものではなく、それを意図したものでもない。前述の目的のために、この文書を使用することはできない。)